当クリニックでは、これまでも帯状疱疹予防ワクチンの任意接種をおこなってまいりましたが、2025年4月より65歳以上の高齢者を対象に定期接種が開始されることになりました。
定期接種になることで、これまで接種料金が高くて接種を迷われていた方も含めて、より多くの方に接種していただきやすくなります。
接種をご希望の方は、以下の説明をご覧のうえで、電話か窓口でご予約をお取り下さい。
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水ぶくれを伴う発疹(水疱)が、皮ふに分布している神経に沿って帯状に出現する疾患です。
水疱が見られる2~3日前からかゆみや痛みを感じるようになり、1週間程度たつと水疱の多発や発熱、頭痛といった症状がみられることもあります。
通常は2~4週間で皮膚症状がおさまりますが、皮膚症状が治った後も、帯状疱疹後神経痛(PHN)とよばれる長い間痛みが続くことがあります。
また、顔面に生じた場合は、視力低下や失明、顔面神経麻痺などの重い後遺症が残ることもあります。
帯状疱疹の原因・リスク
子どもの頃に水痘(みずぼうそう)にかかると、水痘・帯状疱疹ウイルスが体の中で長期間潜伏感染し、加齢や疲労によって免疫が低下した際などに再活性化して、「帯状疱疹」として発症します。
原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスに対しては、成人の9割以上が抗体を持っていることから、既にほとんどの人が感染していると考えられ、誰もが帯状疱疹を発症するリスクがあります。
発症は50歳以上に多く、80歳までに約3人に1人が発症すると言われており、そのうち2割程度が、PHNに移行してしまうと言われています。
帯状疱疹の予防接種について
帯状疱疹ワクチンには、以下の2種類があります。
接種回数や接種方法、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
自分は接種すべきかどうか、どちらのワクチンが良いかなどのご質問がある場合は、お気軽に医師にご相談下さい。
乾燥弱毒生水痘ワクチン | 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン | ||
(シングリックス) | |||
種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン | |
対象(定期接種の対象は欄外に別記) | 50歳以上の方 | ・50歳以上の方 | |
(免疫不全者、免疫抑制治療を受けているものを除く) | ・帯状疱疹に罹患するリスクの高い18歳以上の方 | ||
接種回数 | 1回 | 2回 | |
(2か月以上の間隔をあけて) | |||
接種方法 | 皮下接種 | 筋肉内接種 | |
接種料金 | 定期接種 | 4,500円 | 11,000円/回 |
任意接種 | 7,700円 | 22,000円/回 | |
発症予防効果 | 接種後1年時点 | 6割程度 | 9割以上 |
接種後5年時点 | 4割程度 | 9割程度 | |
接種後10年時点 | ― | 7割程度 | |
主な副反応 | 70%以上 | ― | 注射部位の疼痛 |
30%以上 | 発赤 | 注射部位の発赤、筋肉痛、疲労など | |
10%以上 | 掻痒感、疼痛、腫脹など | 注射部位の腫脹、頭痛、発熱など |
定期接種の対象者
- 年度内に65歳になる方
- 65歳を超える方については、2025年~2029年度の5年間は5歳年齢ごと(70、75、80、85、90、95)に対象
- 100歳以上の方については、2025年度に限り全員を対象
- 60~65歳の人でもヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有する方など厚生労働省令で定める人
☆当クリニックは、大阪市の予防接種委託医療機関です。大阪市の助成を受けることができるのは、大阪市に住民票がある定期接種の対象年齢の方のみとなりますのでご注意ください。
☆接種当日は、マイナンバーカードや運転免許証など、住所と年齢がわかる公的な身分証明書を必ずご持参ください。
☆詳しくは、大阪市のホームページや厚労省の帯状疱疹ワクチンについての案内をお読み下さい。